日本経済新聞

佐賀県武雄市で4月1日、DVDレンタル店「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する市立図書館「武雄市図書館」がオープンする。新装開館を翌日に控えた3月31日、報道関係者や市民を対象に内覧会が開かれた。 市は図書館の経費削減やサービス向上を狙い、5年間運営を委託する指定管理者にCCCを選んだ。年中無休で開館時間は午前9時~午後9時。 利用者が自由に手に取って閲覧できる開架式書架の蔵書を従来の約10万冊から2倍の20万冊以上に増やした。本は「旅行」「料理」などテーマ別に分け、書店に近い並べ方に改めた。本を借りる際、図書館カードの代わりにCCCのポイントカード「Tカード」も使える。 改修費用は約7億5千万円。CCCが約3億円を負担した。販売書籍・雑誌、レンタルソフトを扱う「蔦屋書店」と、カフェ「スターバックスコーヒー」も入居する。カフェの飲料は一部を除き閲覧室に持ち込める。 市の委託費は年1億1千万円で、従来の運営費より1千万円コストを減らした。スタッフは約50人。図書館部分の16人を含め、全員がCCCの社員、アルバイトらで、市の正規職員はいない。 武雄市の樋渡啓祐市長は「来館者を年間50万人に倍増させ、市民の誇りになるような図書館にしたい」と語った。同市の会社員、小森賢一さん(39)は「DVDの品ぞろえやカフェに期待している。開館時間も延長され、便利になりそうだ」と話した。